<魚眼図>雲の計算
最近、コンピュータ業界ではクラウドコンピューティングという言葉が飛び交っている。クラウドは「雲」、コンピューティングは「計算」なので、訳すと 「雲の計算」になる。雲の計算とは一体何だろうか。
雲はインターネットのこと。電子メールをふだん使っている人でも、メールが自分から相手に届 くまで、どこにある何台のコンピュータを経由しているか知らないだろう。そのように、中がどうなっているかわからない状態を雲にたとえているのである。
自分のところに高性能のコンピュータを持っておくにはお金がかかるし、すぐに旧型になってしまう。自分のところはインターネットにつながる安いコンピュー タあるいは新型の携帯電話(スマートフォン)を置いておき、必要なときだけインターネットでつながった最新鋭の高性能コンピュータを使ってその使用料を払 うようにすれば効率的だ、というのがクラウドコンピューティングの基本的な考え方である。
極端な話としては、世界に超高性能のコンピュータが5 台あれば、世界中すべての活動をカバーできるとも言われている。5台かどうかはともかくとして、世の中はそういう方向に進みつつある。
それらの コンピュータが万一同時にすべて動かなくなったら世界中の活動がまひしてしまうので、1台ごとに別の場所に置いておく、置いてある場所の情報を隠してお く、などの安全確保の方法が検討されている。もしかしたら知らないうちに、北海道のどこかにそのうちの1台が置かれることになるかもしれない。
(松原仁・公立はこだて未来大教授=人工知能)
2010/03/26