2008 年 12 月 26 日

<魚眼図>函館消滅?

カテゴリー: 魚眼図 — Column @ 12:00 AM

刺激的な表題であるが、あくまで架空の話である。コンピューター・グラフィックス(CG)を用いたサイエンス・フィクション(SF)の数分の動画が函館で作成された。これが隠れた人気になっているのである。
イカール星という星の宇宙人(イカそっくりの姿である)が地球を、しかも函館を攻めてくる。「宇宙人百人に聞きました」というどこかで聞いたような設定で「地球で一番征服したい都市」として選ばれ、イカール星人が函館に乗り込んでくる。イカを模したロボットが函館市役所や観光名所を破壊しまくる。五稜郭タワーが変身してイカロボットと戦ったり、国宝になった中空土偶が大きくなって登場したりする。
この動画の出来が非常にいい。ユーチューブという有名な動画サイトで公開されている。インターネットで「イカール星人」と「函館」というキーワードで検索すれば出てくるのでぜひご覧いただきたい。悪役として登場するイカロボットの実物はわれわれが作成したものである(こういう動画に出演させてもらってうれしい)。
この動画は函館の観光振興を目指して作られたものである。最後に「観光はお早めに」というテロップが出てくる。宇宙人に函館が破壊されていくので、消滅する前に観光しておいてくださいということなのだ。函館も観光振興のためにいろんなことをしているが、この動画(シリーズで何十本か出るらしい)はヒットである。短い動画をいくつも作るという発想がいい。函館の観光にもともと興味がある人を対象にしているのではなく、一般の人を対象にしているというのもいい。彼らに函館に興味を持ってもらえれば大成功である。
この動画を企画したのは函館市である。市役所がお金を出した動画の中で市役所が壊されるのを許したというのは、お役所らしくない(?)快挙ではないだろうか。
(松原仁・はこだて未来大教授=人工知能)

2008/12/26

2008 年 12 月 4 日

<魚眼図>文化勲章

カテゴリー: 魚眼図 — Column @ 12:00 AM

二〇〇八年度の文化勲章は八人に贈られた。いつもは三、四人なので、今回の受章者数は例外的に多い。これには理由が存在する。日本人がノーベル賞をたくさん取ったためである。 どういう経緯か知らないが、日本政府として、ノーベル賞を受賞した日本人はみな文化勲章を受章しなければならないらしい。文化勲章をもらった人が後からノーベル賞をもらうなら自然な順序なのだが、文化勲章をもらっていない人がノーベル賞をもらってしまうと大慌てで文化勲章を贈るのである。 今回ノーベル賞受賞が決まった人は(アメリカ人である南部さんを除いては)誰も文化勲章をもらっていなかったので、大量受章になった次第なのだ。さらにいえば、文化勲章を受けるにはその前に文化功労者になっていなければならないので、文化勲章をもらうと同時に文化功労者になったりする場合がある(今回もそういう人がいたはずである)。 日本人が科学技術で活躍するのは非常に喜ばしいことだし、頑張った人がノーベル賞であれ、文化勲章であれ正当に評価されるのも喜ばしいことである。 日本政府にとって、先に文化勲章でたたえた人がノーベル賞をもらうのが「先見の明あり」だとすると、今回はほとんど「外れ」である。それが情けない。ノーベル賞だけが偉いとは思わないが、それに値するような人をわかっていなかったということであろう。研究環境と研究費と給料に加えて評価も外国の方がよいとすれば、外国に行きたくなったとしても当然である。正当な評価をぜひともお願いしたい。 (松原仁・はこだて未来大教授=人工知能) 2008/12/4

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