<魚眼図>北海道観光
観光情報学会の第五回全国大会が旭川で開催された。この学会は観光を研究対象としているので、全国大会も当然観光地で開かれる。札幌、沖縄、函館、越後湯沢と続いて今回は旭川である。
旭川の観光は旭山動物園で絶好調である。年間七百万人を超える観光客があったということで、五百万人を切ってしまった函館の観光関係者としてはうらやましい限りである。知床も世界遺産ブームが終わって苦戦しているらしいので、いま好調なのはサミット景気の洞爺以外には旭川しかない状態である。
学会参加者と旭山動物園に行ってみた。平日なのに大にぎわいだった。評判になっているアザラシやナマケモノなどの施設は確かにすばらしかったが、それ以上に感心したのが手書きの説明書きであった。観光情報学会という名称が表しているように、観光の本質は情報の適切な提供にある。旭山動物園の説明書きは情報提供の手段として非常に優れている。また手書きであることがプラスに働いている。こういう地道な部分に支えられて魅力ある動物園になっているのだろう。
その旭山動物園もさすがに入場者数の伸びが鈍りつつある。そろそろ施設としての受け入れ人数の限界に近づいている。旭川の観光客数もこれから大幅な増加は期待できない。北海道全体で考えても、海外からの観光客は増えるとしても、人口を減らしていく日本人の観光客が増えるとは考えられない。
従来の観光振興は観光客数の増加を目標としてきたが、今後はその目標は取り下げて、限られた数の観光客の満足度をあげることを目標にする必要があるだろう。
(松原仁・はこだて未来大教授=人工知能)
2008/06/17