2008 年 6 月 17 日

<魚眼図>北海道観光

カテゴリー: 魚眼図 — Column @ 12:00 AM

観光情報学会の第五回全国大会が旭川で開催された。この学会は観光を研究対象としているので、全国大会も当然観光地で開かれる。札幌、沖縄、函館、越後湯沢と続いて今回は旭川である。
旭川の観光は旭山動物園で絶好調である。年間七百万人を超える観光客があったということで、五百万人を切ってしまった函館の観光関係者としてはうらやましい限りである。知床も世界遺産ブームが終わって苦戦しているらしいので、いま好調なのはサミット景気の洞爺以外には旭川しかない状態である。
学会参加者と旭山動物園に行ってみた。平日なのに大にぎわいだった。評判になっているアザラシやナマケモノなどの施設は確かにすばらしかったが、それ以上に感心したのが手書きの説明書きであった。観光情報学会という名称が表しているように、観光の本質は情報の適切な提供にある。旭山動物園の説明書きは情報提供の手段として非常に優れている。また手書きであることがプラスに働いている。こういう地道な部分に支えられて魅力ある動物園になっているのだろう。
その旭山動物園もさすがに入場者数の伸びが鈍りつつある。そろそろ施設としての受け入れ人数の限界に近づいている。旭川の観光客数もこれから大幅な増加は期待できない。北海道全体で考えても、海外からの観光客は増えるとしても、人口を減らしていく日本人の観光客が増えるとは考えられない。
従来の観光振興は観光客数の増加を目標としてきたが、今後はその目標は取り下げて、限られた数の観光客の満足度をあげることを目標にする必要があるだろう。
(松原仁・はこだて未来大教授=人工知能)
2008/06/17

2008 年 6 月 11 日

<魚眼図>システム不具合

カテゴリー: 魚眼図 — Column @ 12:00 AM

五月下旬の日曜日に全日空の予約システムが動かなくなり、百便以上の飛行機が欠航になって約七万人に影響が出た。インターネットでチケットレスというのはふだんは便利だが、こういうときは事態をより深刻にしてしまう。
実は筆者はこのトラブルに羽田で巻き込まれた。日中のすべての便が欠航という状態だったので、キャンセルや他社便への変更手続きで窓口が非常に混雑した。全日空の便は欠航だったが、他社との共同運航便だけはなぜか(予約システムは全日空のものを使っているはずなのに)飛んでいた。函館にはエア・ドゥとの共同運航便が飛んでいたので、二時間近く遅れたが、満員で飛ぶことができた。
ちょっと前にはNTT東日本がインターネット接続の不具合を引き起こした。数年前にはみずほ銀行でも大規模なシステム障害が発生した。最近は定期的にどこかで大規模なシステム不具合が発生している。昔よりシステムがはるかに大きく複雑になったことに主な原因がある。
システムを本番で使う前に十分なテストを行うことになっている。確かにテストはやっているはずである。だがテストはあくまで小規模なテストであり、本番と同じ規模のテストは実施したくてもできない。小規模では問題なく動いても大規模になると動かないことはよくある。
ということで、大規模なシステムを動かすのは、極端に言えば、ぶっつけ本番しかないのである。大規模システムをテストするための方法論が確立するまでは、同様の不具合がときどき起きることを覚悟しておかなければならない。
(松原仁・はこだて未来大教授=人工知能)
2007/06/11

2008 年 6 月 3 日

<魚眼図>習慣の違い

カテゴリー: 魚眼図 — Column @ 12:00 AM

韓国・釜山に行ってきた。行きは函館発ソウル(仁川)行きの飛行機を、帰りは釜山発千歳行きの飛行機を利用した。函館から成田や関空を経由せずに外国に行き来できるのは新鮮な気持ちだった。
韓国の大学との連携の調印に行ったのだが、向こうの先生から興味深い話を聞いた。彼が湯川のホテルで温泉にはいったときに、女性の従業員が風呂場にはいってきて非常に驚いたそうである。韓国では従業員であっても異性が風呂場にはいってくることは決してありえないらしい。恥ずかしくてそこから逃げ出したと言っていた。昔の日本にはお風呂屋さんに三助がいて女性の体も洗っていたので、異性の従業員がいても気にしないのではないかと説明しておいた。
韓国で国会議員になった女性が書いた本にも日本の風呂場のエピソードが書いてあるそうだ。彼女が日本で(当然裸で)風呂場を移動するときにタオルで前を隠さなかったために、その場にいた日本人女性みんなから非常に冷たい視線で見られたとのことである。韓国の人にとって、裸でいるべき風呂場で同性に対して前を隠すという行為はまったく意味が感じられないらしい。
日本は同性にも隠すのに異性の存在を気にしない。韓国は同性には隠さないが異性の存在はあり得ない。このように風呂だけをとっても日本と韓国では習慣がかなり異なる。どちらかが正しいとか間違っているとかの話ではない。「郷にいっては郷に従え」という格言もある。ただし、日本が韓国を含めた外国の観光客を受け入れたいのであれば、相手の習慣を知って相手を不快にさせない対応を心がける必要があるだろう。
(松原仁・はこだて未来大教授=人工知能)
2008/06/03

公立はこだて未来大学 松原仁研究室
〒041-8655 北海道函館市亀田中野町116番地2
inquiry@matsubara-lab.net (@は半角に直してください)