2008 年 3 月 12 日

<魚眼図>何が言いたい

カテゴリー: 魚眼図 — Column @ 12:00 AM

小学校から高校までずっと国語を苦手にしていた。国語は嫌いではなかったのだが、試験の成績が悪かった。古文や漢文はともかく、現代国語がだめだった。特に苦手だったのが、「著者は何が言いたかったのか三十字以内で述べなさい」という類の問題である。およそ正解できた記憶がない。本を読むのは好きなのに現代国語の成績はふるわない。同じように感じている方は多いのではないだろうか。
もちろん、国語はとても重要である。筆者がいわゆる理科系だからといって、国語の重要性を軽視するつもりはまったくない。英語よりも日本語をちゃんと勉強しなくてはいけない。学生にも常に本を読むように言っている。
なぜか筆者の書いたものがいくつかの大学で入試問題に取り上げられるようになった。入試問題は事前に取り上げていいか了解を求められることはないし、事後にもふつうは報告がないので、何年かたって偶然わかる場合が多い。筆者の文章を入試で読まされている受験生の気持ちを考えると心が痛む。筆者に責任はないので、恨むなら取り上げた人を恨んでほしい。
あろうことか、最近高校入試の国語で筆者の書いたものが取り上げられた。「著者は何が言いたかったか」という設問もある。どこかの塾による模範解答を見たが、正直言ってぴんとこない。それも言いたかったかもしれないが、他にも言いたかったことがあるような気がする。
問題「この文章を読んで著者が何を言いたかったか三十字以内で述べなさい」
解答「お願いだから私の文章を入試問題に取り上げないでください」
さてどれくらいの方が正解なさったであろうか。
(松原仁・はこだて未来大教授=人工知能)
2008/03/12

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