2007 年 11 月 30 日

<魚眼図>はこだてまちナビ

カテゴリー: 魚眼図 — Column @ 12:00 AM

三回目となる湯の川温泉のオンパクが開催された。オンパク(温泉博覧会の略)は別府発のイベントで地元の人に温泉場に親しんでもらうことを目的として始まったが、その後は観光客も対象としつつある。今回のオンパクの中でわれわれは「はこだてまちナビ」の実証実験を行った。
まちナビは観光の情報化を目指した国土交通省の支援制度で、全国の数十の街が参加している。函館のまちナビは、まず参加者が個人情報を受付で登録して、携帯電話あるいはICカード(首都圏で電車に乗るためのスイカなどと同じもの)を持って観光スポットを巡る。各スポットに読み取り装置があるので、携帯電話かICカードをその装置にタッチする。システムはその人がその観光地に来たことがわかるので、その観光地にまつわる情報をその人の携帯電話にメールする。観光客は自分がいる観光スポットの最新情報を入手できるという仕組みである。
今回は八カ所のスポットに読み取り装置を置き、のべ数百人が実験に参加した。まだまだ小規模ではあるが、非常に貴重な経験を積むことができた。たとえばある会社の携帯電話だけメールがなかなか到着しなかった。これはその会社が迷惑メールのチェックを念入りに行っているためと考えられる。
今回の実験は第一歩にすぎないが、規模を大きくするだけではなく、便利さも追求していきたい。飲食店やお土産屋でこの携帯電話やICカードで支払いができるようになれば便利であろう(一種の地域通貨になる)。外国人観光客は最初にその旨を登録すればその国の言葉で情報を提供できる。函館だけでなく、北海道全体で同じシステムで観光することができれば喜ばれるであろう。やることは尽きないが、頑張っていきたい。
(松原仁・はこだて未来大教授=人工知能)
2007/11/30

2007 年 11 月 9 日

<魚眼図>暗証番号

カテゴリー: 魚眼図 — Column @ 12:00 AM

最近銀行のキャッシュカードが偽造されて預金が他人に引き出されるという事件が発生している。最大の原因はカード情報が漏れたことにあるが、すぐに見破られるような暗証番号を使っていることも被害を大きくしている。
カード情報が漏れるときは同時に所有者の個人情報も漏れている。住所、電話番号、生年月日なども犯人は当然知っているのである。忘れないためにこれらの数字をそのまま暗証番号にする人が多いが、本人だけでなく犯人にも筒抜けなのだ。
もし預金を不正に引き出されてしまったとしても、本人に重大な過失がある(そんなばれやすい暗証番号を設定したのが悪い)として銀行に保証してもらえない危険がある。個人情報を調べても出てこない数字を暗証番号にしなくてはいけない。本人でなくとも、家族の生年月日や電話番号もばれると覚悟しておかなければならない。
コンピューターのパスワードも簡単なものはすぐに見破られてしまう。パスワードを見破る目的のプログラムが存在し、意味のある数字や記号(人の名前、地名、生年月日、電話番号など)のパスワードはいとも簡単に見破られてしまう。パスワード設定のときに簡単すぎるとこのプログラムに見破られて再設定を命じられることになる。
ではどういう暗証番号やパスワードがよいかといえば、本人にとっても無意味な数字や記号の列である。意味がないのでしらみつぶししか解読の方法がなく、手間がかかりすぎて犯人もあきらめてくれるだろう。しかし本人もそれを記憶しておくのが非常に大変である。
既に一部で始まっている指紋や虹彩(目)による個人認証がこれからは一般的になるだろう。もっとも、これらも「盗む」技術が出てくるまでの命かもしれないが。
(松原仁・はこだて未来大教授=人工知能)
2007/11/09

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