<魚眼図>シリアスゲーム
最近、テレビゲームの分野でシリアスゲームが注目されるようになっている。シリアスは「まじめな」という意味なので、シリアスゲームはまじめなゲームということになる。ゲームを通して何かまじめなことを学ぶのを目指したものがシリアスゲームである。
ゲームを教育に生かすものとしては「エデュテインメント」と言われる分野がある。これは教育(エデュケーション)と娯楽(エンターテインメント)をつなげた造語で、教育目的のゲームが数多く作られてきた。
シリアスゲームを推進している人たちは、従来のエデュテインメントは教育の側面に偏っていて娯楽の側面が弱いと主張している。確かに教育的効果はあるかもしれないが、つまらなくてとても自発的に遊ぼうという気にならないゲームが多いという批判である。
シリアスゲームは娯楽の側面を重視して、自発的に遊ぶ気になる(なおかつ教育的効果もある)ものを作ろうとしている。あるいは既存の(ヒットしている)テレビゲームを教育目的に使おうとしている。たとえば歴史を舞台にしたゲームを取り上げれば、ヒットしているだけあって娯楽性は高いので自発的に遊び続けてくれる。その結果として歴史に強くなる教育的効果が得られるだろうという考え方である。
福祉、環境、政治、経済など社会的に注目されている問題を対象としたシリアスゲームが欧米を中心に数多く開発されており、その流れは今後日本にも引き継がれると思われる。
テレビゲームは負の効果が強調されることが多いが、シリアスゲームによって正の効果を引き出せるのではないかと期待している。
(松原仁・はこだて未来大教授=人工知能)
2007/10/26