<魚眼図>適温の空調
今月初めにアメリカのアトランタに出張した。南部の内陸なので夏は暑く、しかも湿度が高い。あらかじめわかっていたので薄い服を持っていったのだが、室内の冷房が非常に強いのが予想外だった。かつて日本の大都市の冷房がそうであったように異様に寒かった。日本からの参加者はみんな現地で上着を買い求めていた。
空調で思い出したのだが、北海道の冬は反対に暖房が非常に強い。初めて冬に道内の宿に泊まったときはあまりの暑さにほとんど眠れなかった記憶がある。そのときはその宿だけの問題かと思っていたのだが、住むようになってどこも暑いことがわかった。暑いぐらいの暖房の中で薄着になってビールを飲むのが北海道の冬ということらしい。
北海道の人が冬に内地の宿に泊まると暖房が寒く感じるらしいが、内地の人が冬に北海道の宿に泊まると必ず暖房が効き過ぎに感じる(筆者は暖房を切って寝るようにしているが、それでも暑いぐらいである)。北海道では二五度前後の暖房があるが、内地ではせいぜい二〇度前後がいいところである。どちらかが歩み寄るとすれば、ここは北海道が歩み寄って暖房の温度を下げるべきではないだろうか。地球温暖化やエネルギーの問題を考えても、経済的な節約を考えても、観光地として客の満足度をあげるためにも、暖房はもう少し抑えたほうがいいと思う。さらにはその方が健康にもいいはずである(寒暖の差は小さいほうがいいので)。
地球温暖化は深刻な問題であるが、冬の寒さはそのせいで緩和されつつあるので、せめて暖房は抑えることができればと思う。
(松原仁・はこだて未来大教授=人工知能)
2007/07/26