<魚眼図>情報教育再び
高校で必修科目の履修漏れが大きな問題になった。主に世界史が未履修の対象だったが、情報を未履修の高校もかなり多かった。この話を聞いて、やはりそうだったのだなと思った。
情報が必修になってから、機会がある度に高校の生徒たちに何を教わっているのかを聞いている。インターネットの検索やメールの読み書き、ワードやエクセルといったソフトの利用の仕方という答が多かったが、その次に多かったのが数学や理科を習っているという答だった。
情報は数学や理科の授業に振り替えるための、受験生にとって無駄な科目なのである。高校にまともな情報を教える先生がいない上に、大学の入試科目に(ほとんど)ないという状態では、情報を教えなくなるのも当然の結果かもしれない。
高校で情報を教えるようにする方法はわかっている。大学入試で情報を必修にすることだ。そして情報の配点を高くすれば、数学の時間を削って情報を教えてくれるかもしれない(笑えない冗談だが)。こういう強引な方法は取らないにしても、情報をちゃんと高校生に教えることはいまの世の中ではとても大切なのである。メールの読み書きや表計算ソフトの使い方などを学ぶ必要はないが、情報とは何かという基本をよく学んでもらいたい。
情報技術で日本は欧米に負けているだけでなく、インド、中国、韓国にも抜かれつつあるというのが現状。巻き返しを図るためには、地道な情報教育を進めるしかない。
(松原仁・はこだて未来大教授=人工知能)
2006/11/28