<魚眼図>地元観光
函館の湯の川温泉で、「オンパク」というイベントが、二十一日から十一月五日まで開催される。オンパクは温泉博覧会の略で、もともとは九州の別府温泉で二○○一年から行われており、地域活性化・新体験型観光の成功例として知られている。別府の成功例を初めて他の地域で実施してみるというのが今回の函館の第一回オンパクである。
オンパクは、料理教室、散策、コンサートなど参加型のプログラムからなる。観光客も参加できるのであるが、むしろ地元民の参加が想定されている。別府では女性向けのプログラムが好評とのことなので、今回の函館もアロマセラピー、ネイルアート、エステ、ヨガなどのプログラムが並んでいる。もちろん男性が参加できるプログラムも用意されている。日ごろ温泉街に行くことが少ない地元民に訪れてもらうことがオンパクの目的である。
北海道にとって観光は重要な産業であるが、その未来はかなり厳しいものと言わざるを得ない。以前と違って海外に行きやすいので北海道を飛び越えて海外に行く人が多くなっており、その割に海外から日本(北海道)に来てくれる人はそう増えていない。そもそも日本人の数がこれからどんどん減っていくので、それだけ国内観光客の数も減っていく。
これからの観光地はよほど特色を強くしないと生き残っていけない。地元の人が行ってみたいと思わないようなところに観光客は来てもらえない。北海道にとって観光が重要だとすれば、まず地元民が実際に地元を観光するところから始めてはどうだろうか。そうすることで観光客の気持ちが少しずつわかってくるものと思う。
(松原仁・はこだて未来大教授=人工知能)
2006/10/18