<魚眼図>ウィニー問題
ウィニーというソフトの話題がまた世間を騒がせている。ウィニーとはインターネット上で他人とファイルを交換するためのソフトである。東大元助手の金子勇さんという人が開発した。無料で手軽に使えることから多くの人がファイル交換用にこのウィニーを使っている。
最初の問題は、このウィニーを使って著作権的に問題のあるファイルをコピーすることであった。ウィニーの作者である金子さんは不正を可能にするソフトを作ったということで、著作権法違反ほう助罪の疑いで逮捕されてしまった。ウィニーが不正用のソフトということではなく、不正に使えるということで罪に問われたのである。裁判はいまも続いているが、金子さんが有罪なのかは疑問である。犯罪に使われる可能性があるという理由で包丁を作った人が罪に問われるべきなのであろうか。
その次の現在の問題は、このウィニーが知らないうちにウイルスソフトに感染して、公開したくないファイルまで外に流出してしまうということである。個人のプライベート情報が流れただけでなく、警察や自衛隊などの国家機密や会社の社外秘情報も流れて大問題となってしまった。総理大臣がウィニーを使わないように、と言うほどである。これも悪いのはウィニーではなく、ウイルスソフトである。さらにはウィニーがウイルスに感染したことに気付かないユーザーが一番悪い。これでウィニーが非難されるのであれば、あれほどウイルスソフトが蔓延(まんえん)しているウィンドウズがもっと非難されてしかるべきである。
ウィニー問題は日本のインターネット社会がまだまだ未熟であることをよく示していると思う。
(松原仁・はこだて未来大教授=人工知能)
2006/03/24