2006 年 1 月 31 日

<魚眼図>友だちの輪

カテゴリー: 魚眼図 — Column @ 12:00 AM

友だちの友だちは友だち、という言葉がある。誰が友だちかは微妙であるが、年賀状をやりとりする人、あるいは電話番号を知っている人と決めることにしよう。自分の直接の友だちを友だち距離1とする。友だち距離1の人の友だちは、自分から見て友だち距離2になる。このように友だち距離を定義したときに、自分と見ず知らずの人との友だち距離はいくつになるだろうか?
外国でも日本でも社会学的な大規模調査が行われ、友だち距離は最大でもほぼ6であることがわかっている。どんな有名人でも間に5人経由すれば自分と友だちになるのである。面白いのは、北海道の人を範囲としても、日本人を範囲としても、さらには人類を範囲としても友だち距離6でほぼ到達できるということである(小泉首相にもブッシュ大統領にも距離6で到達できるのである)。世間は狭いとよく言うが、そのことが「小さい社会理論」として証明されているのだ。
インターネットを用いて研究者の友だちの輪を見いだすシステムを作成している。ある研究者の名前を入力すると、その研究者と関係の深い研究者の名前を列挙してくれる。また、一見関係のない二人の研究者の名前を入力すると、その間を経由する研究者の輪の名前を教えてくれる。本人に照会することなくインターネット上に公開されている情報だけを使っているのがこのシステムの特徴である。本人が見ても結果は納得できる(筆者の最も関係の深い研究者は学長だそうである!)。対象を研究者から企業の人に広げることで産学連携や異業種連携の支援に結びつけたいと思っている。
(松原仁・はこだて未来大教授=人工知能)
2006/01/31

2006 年 1 月 10 日

<魚眼図>ロボットと英語

カテゴリー: 魚眼図 — Column @ 12:00 AM

五回にわたって小学生と中学生にロボット組み立て教室を実施した。最近は子ども向けのロボット講習会は珍しくないが、今回は英語で教えるという初めての試みである。将来の情報処理技術者を育てることを目指したITクラフトマンシップ事業の一環として経済産業省の支援を受けた。
あらためて言うまでもないが、科学技術は世界共通であり、技術者として国際的に活躍するために英語は必要不可欠である。日本人は英語の読み書きは決して苦手ではないが、話したり聴いたりする本来のコミュニケーションは苦手としている。
英語をちゃんと学ぼうという日本人は多いが、動機付けを維持するのはむずかしい。英語はコミュニケーションの道具なので、何か具体的に話したいことや聞きたいことがなければ真剣になれないのである。
英語によるロボット組み立て教室は、ロボットを組み立てるという具体的な作業を通して子供たちが自然に英語を学ぶことを意図している。話す必要があるから英語を話すし、聞く必要があるから英語を聞くのである。英語の先生とロボットの先生の共同作業によって、英語によってロボット組み立てに取り組む場を実現している。ちなみにどちらの先生も日本人である。
初めての試みなので不安もあったのだが、実際に教室を開いてみると子供たちは非常に熱心に英語とロボットに取り組んでくれた。最終回ではゲストの外国人を前に、一人一人が英語で自分の作ったロボットについて発表をしてくれた。改善すべき点もわかったので、ぜひ今後もこの試みを続けていきたいと思う。
(松原仁・はこだて未来大教授=人工知能)
2006/01/10

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