2005 年 6 月 27 日

<魚眼図>沖縄に見習う

カテゴリー: 魚眼図 — Column @ 12:00 AM

今年の観光情報学会がこのほど沖縄のリゾートホテルで開催された。情報処理技術を用いて観光を魅力的なものにしようという趣旨で一昨年に設立された新しい学会である。全国大会は昨年の札幌に続いて今年が第二回になる。地方支部は札幌、ニセコ、函館、越後湯沢、加賀、沖縄など観光都市が多いので、全国大会もリゾート地で開催されることになる。
沖縄と北海道は対照的ではあるが、日本人にとって共に非常に人気のある観光地である。観光においては非日常性が大事なので、遠くに離れていて気候も景色も食べ物も日本離れしていること(しかし国内で安心できること)が人気の元であろう。
観光の学会なので、沖縄の観光も大いに楽しませてもらった。言い訳に聞こえるかもしれないが、当事者が観光を楽しまないと本当のことはわからない。沖縄の観光の特徴はホスピタリティーである。ホスピタリティーを日本語に訳すのは難しいのだが、地元民の観光客に対する親切心というような意味である。
沖縄に着くとそれだけでほっとした気分になる。地元民が「のんびり」しているので、観光客も自然にのんびりできるのだろう。のんびりできるとそれだけで観光客は癒やされるし、地元にとっても効果は大きい(例えばのんびりすれば財布のひももゆるくなるはずである)。北海道の事情は異なる(自然や気候の厳しさが特徴の一つである)が、沖縄のホスピタリティーを見習う必要があると強く感じた。
観光情報学会の来年の全国大会は函館で行われることになっている。この開催を北海道の観光のさらなる発展にぜひつなげたいと思う。
(松原仁・はこだて未来大教授=人工知能)
2005/06/27

2005 年 6 月 2 日

<魚眼図>コンピューターはアマ5段

カテゴリー: 魚眼図 — Column @ 12:00 AM

今年も連休中にコンピューター将棋の大会が千葉県木更津市で行われた。一九九七年に人間の世界チャンピオンにコンピューターが勝ったチェスに比べると将棋はまだ弱いが、毎年順調に強くなってきて今年はついにアマ五段の実力に達した。
筆者もアマ五段なのだが、今年の優勝プログラムにはかなわないと感じた。コンピューターにかなわないと感じたのは今回が初めてである。コンピューターは持ち時間が短い対戦に特に強い。人間のように時間に追われて焦ったり間違えたりすることがないためである。
毎年優勝プログラムはプロ棋士と駒落ち戦(ハンディ戦)を行っているのであるが、今年は角落ちでコンピューターが快勝した。強い方が角抜きで戦うというのは大きなハンディだと思われるかもしれないが、このハンディは意外と小さい。弱いプロ棋士は強いプロ棋士に角落ちで負けてしまうほどである。
その角落ちでコンピューターが勝ったというのは大事件なのだ。それも人間のミスに付け込んだのではなく、目を見張るような華麗な手順を披露した。コンピューター将棋がある段階を突き抜けたことを証明した。コンピューターが平手(ハンディなし)で人間の名人に勝つまでには、さらにいくつかの段階を突き抜けないとならないが、「その時」が視野に入ってきたと言える。
今回の優勝プログラムはアマの全国大会に初めて出場することになっている。人間とコンピューターの対決という図式でとらえるのではなく、普通の将棋のように人間同士の対戦ととらえてほしい。コンピューターもプログラムも人間が汗水垂らして作ったものなのだから。
(松原仁・はこだて未来大教授=人工知能)
2005/06/02

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