<魚眼図>バル街
三月九日に函館で三回目のバル街の催しが行われた。バル街とは、西部地区(函館山の方の旧市街)をスペインのバル街(バルとはスペイン語で一杯飲み屋のことである)に見立てて「飲み」「歩き」を楽しむイベントである。
客は三千円で五枚のチケットを買って、五軒の店をはしごして、それぞれで一杯の飲み物とつまみを楽しむ。今回はバル街用の特別な市電も運行された(市電の中でもカクテルを楽しむことができた)。
数十軒の店と千人以上の客が参加して大盛況であった。客にとっては六百円でかなりお得な酒とつまみを楽しむことができるし、店としてはかなり勉強して酒とつまみを提供しても、多くの人に自分の店を知ってもらえるという効果がある。最近は飲み屋で知らない客同士が話をすることも少ないが、バル街では気軽に話ができる。
正直に言って夜の西部地区は観光客も消えて寂れた雰囲気であるが、店から店に移動していく過程で函館のさまざまな歴史や伝統に触れることができる。
飲み歩きのイベントはほかの町でも多いが、そのすべてがうまくいっているとはいいがたい。このバル街は主催者や加盟店のさまざまな工夫や、飲み歩きの範囲がそう広すぎず狭すぎず手ごろであるなどの理由で非常にうまくいっていると思う。
もともとは街の活性化を目指して地元民を対象に始まったイベントであるが、最近は口コミで札幌や東京からの客も増えつつある。現在は年二回の開催であるが、もっと回数を増やそうという話もあるらしい。
楽しいイベントとしてこれからも発展していってほしいものである。
(松原仁・はこだて未来大教授=人工知能)
2005/04/19