<魚眼図>ロボットの安全性
この十年でロボットが身の回りにかなり進出してきた。いまはまだ遊び相手程度だが、近い将来に家電製品の一部として家庭に普及することが期待されている。そのときに問題になるのが安全性である。
他の家電製品とロボットが異なるのは、ロボットは動くということである。動けば何かにぶつかる可能性もあるし、倒れる可能性もある。暴走して制御できなくなってしまう可能性もゼロではない。壁や床を壊してしまうかもしれないし、人を傷つけてしまうかもしれない。人間のような形をした二足歩行ロボットは特に倒れたときの衝撃が大きい。
ロボットの開発者は昔から安全性には非常に気を使っている。多くのロボットには非常停止ボタンがついていて、いざというときにはそれを押すと瞬間的に止まるようになっている。大学のロボット研究室では先輩の実験の傍らで後輩がいつでも緊急停止ボタンを押せるように待機しているのが普通である。また、技術的には早く動けるようになっていても安全のためにスピードを制限している場合も多い。
安全性に気を使っているとはいえ、世の中に絶対安全なものは存在しない。どんなものでも故障する可能性はある。また人間の方が使い方を間違えてしまう可能性もある。使い方を間違えると危険だが、正しく使えば非常に便利だというものは世の中に多い。
その代表格が自動車である。われわれは危険性を認識した上で自動車を便利に使っている。ロボットも将来は自動車のように認識されてほしい。そのためには、危険性を許容範囲内に収める必要がある。いま関係者の間で安全基準作りが進んでいる。
(松原仁・はこだて未来大教授=人工知能)
2005/03/28