<魚眼図>デジタルアーカイブ
昨年十一月に函館でデジタルアーカイブの会議が開かれた。デジタルアーカイブとは最新の情報機器を用いて広い意味での文化資産をデジタル情報の形で記録し、それを広く一般に公開していくということである。
具体的に言えば、古文書とか古い写真や映像などをスキャナーやデジタルカメラなどの機器でデジタル情報に変換する。もとのアナログ情報は時間がたつと劣化するが、デジタル情報は永久に劣化しないので、文化資産を保護することができる。それをインターネットにつながったコンピューターの中に置いておけば、世界中の誰でもその文化資産に接することができる。
函館は歴史的に多くの文化資産を持っている(たとえば写真の日本発祥の地の一つなので、その種の資料がたくさんある)。また、観光地として多くの観光資産を持っている(たとえば夜景が有名)。それらの資産をデジタル情報の形にして、日本あるいは世界への情報発信に結びつけようという趣旨の会議であった。
デジタルアーカイブで重要なのはその情報の中身(コンテンツ)である。いかに魅力的なコンテンツを集めるかが成功するかどうかを左右する。函館だけでなく北海道は貴重な文化資源をたくさん有している。自然や食材や景色なども立派な文化資源である。それらの資源の中には世の中に知られていないものも多いだろう。
観光や農業、漁業などの北海道の産業を発展させるために(他の地域と差別化を図るために)、デジタルアーカイブによって北海道から情報発信を進めていければいいと思う。
(松原仁・はこだて未来大教授=人工知能)
2005/01/17