<魚眼図>携帯電話とハンズフリー
道路交通法が改正されて、運転中に携帯電話を手にしただけで罰せられるようになった。運転中の電話が原因の事故が多数発生しているので、この措置は当然のことであろう。ただし、違法なのは運転中に携帯電話を手にすることで、運転中に電話で話をすることではない。ということで手に持たずに通話ができるハンズフリーの装置が売れているらしい。
イヤホンを使って電話をすると、外界の音が聞こえなくて危険だという意見がある。都道府県によっては条例で規制をしているそうである。しかし一番問題なのは、一方の手がふさがっていることでもイヤホンをつけていることでもなく、運転中に電話をしているということ自体にある。
電話の向こうの相手と話をするので、意識が当然そちらにいってしまって運転の方がおろそかになる。そのために事故が起きやすいのであって、一方の手だけで運転をしているためではない。以前からこのことを裏付ける実験結果は出ているのに片手の運転だけを取り締まるのはどうかと思う。
この話は以前もこの欄で取り上げたのだが、法律改正で手さえ空けていれば運転中に電話してもいいものと、誤解されてしまったように思う。
携帯電話を問題にするならタクシーや警察の無線も問題だという意見もあるだろう。これらの無線は運転中であることを意識して通話している点が大きく異なる。
運転中のカーナビも危ないのではないかという意見もあろう。人間が携帯電話やカーナビなどの新しい情報機器とどう付き合っていけばいいのか経験を積み重ねていく必要がある。
(松原仁・はこだて未来大教授=人工知能)
2004/12/20