2004 年 4 月 30 日

<魚眼図>情報の流出を考える

カテゴリー: 魚眼図 — Column @ 12:00 AM

最近さまざまな組織で個人のプライバシー情報が流出していることが問題になっている。流出自体はもちろん許せないことで、流出させた人間は罰せられるべきだし、流出を結果的に見逃した組織は、管理の不備を非難されるべきである。
一方でこの情報化社会では個人情報が流出する可能性を常に覚悟している必要がある。コンピューターをインターネットに一度でもつなげばインターネットを介して流出する可能性がある。誰か悪意を持った人に侵入されるかもしれないし、ウイルスに侵されてしまうかもしれない。インターネットにつながなくても、コンピューター自体やフロッピーディスクやCD-ROMなどを盗まれても情報は流出してしまう。
コンピューターを持ち歩いてインターネットに接続することが当たり前になったので、さまざまな形で情報が流出する危険は非常に高い。自分だけが注意していても、自分の情報を持っている他人が不注意であれば、流出は免れない。
個人情報の流出を絶対に避けたければ、通販も使わず、インターネットも使わず、クレジットカードも使わず、あらゆる名簿に情報を載せず、携帯電話も使わず、という仙人のような生活をするしかない。
仙人生活ができないのであれば、できる限りの注意はしつつも、ある確率である程度の個人情報が流出することを前提に生活することになる。各人がそう意識していれば、流出の社会的影響が小さくなり、結果的に流出が減るものと期待される。
(松原仁・公立はこだて未来大教授=人工知能)
2004/04/30

2004 年 4 月 1 日

<魚眼図>観光とたばこ

カテゴリー: 魚眼図 — Column @ 12:00 AM

昨年に発足した観光情報学会の下部組織の一つとして、はこだて観光情報学研究会が、ごく最近活動を開始した。観光情報学とは観光と情報をキーワードに産官学が連携して観光を魅力的なものにすることを目指す新しい学問である。インターネットや衛星利用測位システム(GPS)やICタグなど最新の情報処理技術を観光に生かす研究を行うのももちろんであるが、まずは観光にまつわるさまざまな調査を科学的に実施しようとしている。
観光の対象として見た北海道は自然や食べ物など資源が非常に豊富であるが、いくつかの問題点も存在する。その一つがたばこである。北海道は喫煙者に対しての対応が全国平均に比べて甘すぎる。ということは非喫煙者にとってつらい場所なのである。
分煙も不十分だし、レストランの喫煙スペースは禁煙スペースより広くて見晴らしもいい場所のことが多い。宿の禁煙ルームの割合も少ない。これは北海道の喫煙率が全国平均より高いことと関係があるだろう。
非喫煙者の多くはたばこの臭(にお)いに対して寛容ではない。
「北海道に着いたとたんにたばこの臭いがした」とは内地から来た非喫煙の友人の台詞(せりふ)である。多くの非喫煙者はたばこの臭(にお)いまみれの観光地や宿やレストランには二度と行かない。
地元の住民だけを相手にしていれば大丈夫な土地ならともかく、観光客を受け入れなければやっていけない北海道において、観光客の多数派を占める非喫煙者にもっと配慮が必要だと思う。情報処理技術を利用する以前の問題である。
(松原仁・公立はこだて未来大教授=人工知能)
2004/04/01

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