<魚眼図>情報の流出を考える
最近さまざまな組織で個人のプライバシー情報が流出していることが問題になっている。流出自体はもちろん許せないことで、流出させた人間は罰せられるべきだし、流出を結果的に見逃した組織は、管理の不備を非難されるべきである。
一方でこの情報化社会では個人情報が流出する可能性を常に覚悟している必要がある。コンピューターをインターネットに一度でもつなげばインターネットを介して流出する可能性がある。誰か悪意を持った人に侵入されるかもしれないし、ウイルスに侵されてしまうかもしれない。インターネットにつながなくても、コンピューター自体やフロッピーディスクやCD-ROMなどを盗まれても情報は流出してしまう。
コンピューターを持ち歩いてインターネットに接続することが当たり前になったので、さまざまな形で情報が流出する危険は非常に高い。自分だけが注意していても、自分の情報を持っている他人が不注意であれば、流出は免れない。
個人情報の流出を絶対に避けたければ、通販も使わず、インターネットも使わず、クレジットカードも使わず、あらゆる名簿に情報を載せず、携帯電話も使わず、という仙人のような生活をするしかない。
仙人生活ができないのであれば、できる限りの注意はしつつも、ある確率である程度の個人情報が流出することを前提に生活することになる。各人がそう意識していれば、流出の社会的影響が小さくなり、結果的に流出が減るものと期待される。
(松原仁・公立はこだて未来大教授=人工知能)
2004/04/30