2002 年 11 月 13 日

<魚眼図>エンターテインメントコンピューティング

カテゴリー: 魚眼図 — Column @ 12:00 AM

これまで科学技術は、人間に物質的な豊かさをもたらすことを目指していた。しかし現在、物質的な豊かさは既にほぼ飽和状態になっているといっていい。科学技術はこれから、「人間に真の幸せをもたらす」という原点に立ち戻る必要がある。
エンターテインメントという英語は「娯楽」と訳されることが多いが、「人間に精神的な豊かさをもたらすもの」という本来の意味を考えれば、エンターテインメントはこれからの科学技術の中心的な課題になってくるだろう。
私どもは、情報処理技術を、優れたエンターテインメントの実現に生かすための研究を「エンターテインメントコンピューティング」と名付けて、その発展を目指すことにした。
日本にはテレビゲームとかアニメとか、国際的に非常に優れたエンターテインメントのコンテンツが存在するにもかかわらず、「娯楽」ということでこれらのコンテンツは科学技術として軽視されてきた。
「エンターテインメントコンピューティング」では、映像・音楽・ゲーム・ロボットなど、ありとあらゆるエンターテインメントを対象に、情報処理技術を使って、人間を幸せにできるような優れたコンテンツを作る方法論を確立することを目指している。
例えば、テレビゲームにはまり過ぎると問題が起きるといわれているが、問題が起きないテレビゲームをどのように作ることができるかが研究テーマになるだろう。
五月に幕張で初めて開催した国際会議に続き、来年一月には大阪で国内の会議を開催する。楽しみながら研究に励みたいと思っている。
(松原仁・はこだて未来大教授=人工知能)
2002/11/13

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