<魚眼図>携帯電話と運転
元来が無精なので携帯電話が普及しはじめても使っていなかったのだが、子供が保育園に通うようになってやむを得ず使い始めた。子供に何かあったときに連絡するので必ず携帯電話を持っていてほしいと言われたのである。
使い始めてみるとなかなか便利だった。どこでも電話をかけられるのがいい。しかし外出中に頻繁に電話がかかってくるのは耐えられないので、携帯の番号は家族やごく親しい知り合いにしか知らせていない。昼間に携帯電話が鳴ったら、それこそ子供が不調になった可能性が高い。もっぱら発信専用で、メールなどの機能は何も知らない。
さて、違法となってはいるものの、運転中に携帯電話を使っている運転手がとても多い。あれは非常に危ない。片手で運転するのが危ないということで、携帯電話を手に持つことなく会話をする装置が出回っていて、この装置を使えば違法ではないらしい。
しかし、運転中に携帯電話を使うのが危ないのは、片手運転だからではない。両手で運転し会話していても、片手で携帯電話を持って運転していても、同じぐらい危険だという実験結果が報告されている。危険の原因は片手運転だからではなく、その場にいない人間と会話をしていることだ。どういう装置を使おうが運転中の携帯電話の使用は禁止すべきである。
飲酒運転の罰則が厳しくなっているのに、携帯電話の使用の罰則は甘過ぎる。悲惨な事故が相次いでからでは遅い。規則を破る運転手が多ければ、エンジンをかけた状態で携帯電話が通じないようにしてしまうというのも一考かもしれない。
(松原仁・はこだて未来大教授=人工知能)
2002/09/11