<魚眼図>ロボカップ(2002掲載)
日本中がワールドカップに熱中している最中に、ロボットのサッカー大会があった。「ロボカップ2002福岡・釜山」が六月十九日から二十三日まで福岡ドームで開催されたのだ。ロボカップは「二○五○年までに人間のサッカー世界優勝チームに勝つロボットチームを作る」ことを目標に、日本人を中心に始まった国際プロジェクトである。
この荒唐無稽(むけい)ともいえる目標を追求する過程で、二十一世紀の人類の幸福に貢献するさまざまな科学技術が得られるものと期待している。筆者はロボカップに、その立ち上げのときからかかわってきた。
第一回の国際大会は一九九七年に名古屋で開かれたが、日本での国際大会は、それに続く二回目になる。初回の大会は小さいものであったが、今回は出場チームが約二百、出場者数が約千人、そして一般入場者数が約十二万人と非常に大規模になった。
最新の人工知能やロボット工学の成果を一般の人に目に見える形で示すのがロボカップの大きな役割なので、多くの方に来場してもらったのはいいことである。特に小学生や中学生が数万人規模で見に来てくれたのがうれしい。二○五○年の目標は当然われわれの世代では実現できないので、ロボカップの目標(夢)を一人でも多くの子供たちに共有してもらって次の世代へと伝えていってほしいと願っている。
二本足のロボットはまだサッカーと呼べるようなプレーはできない(転んだら壊れてしまうし、走ることもできない)けれども、多くの人が夢を持ち続ければ必ず目標は達成できると確信している。
ロボカップはこれからも続いていく。北海道で国際大会を開くとすれば、会場の候補は札幌ドームであろうか。ぜひ実現したいものである。
(松原仁・はこだて未来大教授=人工知能)
2002/07/11